わたしのルーツ 有田編
覚えられない住所がある。
それは、免許証を作るときにしか書くことがない「本籍」の住所。
いやー、全然覚えられない。
佐賀県西浦郡だっけ?
有田町のあとも、「大樽」という地名が続くのだけれど、これもどうにもこうにも複雑すぎて書けない。(特に「樽」)
そして、番地も4桁で覚えられない。
だからといって困ったことはない。
一度、なにかの証書を取り寄せるために、有田町の役場に電話したくらいしか有田との接点もなかった。
しかし、本籍地に行ったことがないって、なんかさみしくないか?
そう思った。
唐津に行くのであれば、有田にも行けるはず。
ということで、行って来ました。
有田は、本籍地であり、祖父が生まれ育った町です。
手塚家は、もともと有田焼を売る貿易商をしていたそうです。
それで財を成し、銭貸をし、それが銀行へと発展していきました。
その銀行を作ったのが、私の曽祖父。
私の祖父の手塚隆次の、兄の文蔵さんはそれを受け継ぎ佐賀銀行の初代頭取となったそうです。
今まで知らなかったことばかりです。
これは、私が有田に行くことが決まってから父から聞いたことで、もし私が有田にいかなければもしかしたら、この話を聞くこともなかったかもしれません。
そして、有田には今も「手塚商店」があると聞いていました。
この商店は、祖父が生まれた家だそう。
まずはここに行くことを目標にしました。
カーナビの言う通りに車を走らせていると、急に「目的地付近です」と。
ええっ。ここなのか?
ちょっとわからないのでゆっくり走りながら、周囲を確認します。
すると、ありました!
なんとまぁ。
↓
こんな素敵なおうちが残っているなんて。
とても感動しました。
それから、近くに車に停めて、お店の中に入って見ました。
誰もいません。
誰もでてきません。
自分から「すいませーん」と声を出すような勇気もなく(小心者のため)、
拝見だけさせていただきました。
いやー、このハッピとか、もう。
いい味だしていて、出しすぎていて、うっかり「うわー。すげー」と言ってしまいそうなくらいでした。
それから他のお店にもおじゃまさせていただき、いろいろとお話を聞いてみました。
有田焼は、海外でも注目をされているらしいこと。
ろくろが上手なひとと、絵付けが上手なひと、それをすべてやる人といろんな作家がいること。
佐賀大学で、作家の養成をしていること。
ゴールデンウィークの陶器市の盛り上がり具合が、今年はとんでもなかったこと。
とにかく、時間をわすれていろいろお話を聞かせていただきました。
そうこうするうちに、佐賀空港に向かわなければならない時間になってしまいました。
佐賀空港まで1時間。
そうグーグル先生は言っているのに、カーナビは1時間40分と言っていまして、
後者が正しければ、完全に乗り遅れるという危機的状況に、一気に陥りました。
先ほどまでの「いい気分」はどこへやら。
結果、ギリギリ帰りの便には間に合いました。
いやー、最後はとても慌ただしかったですが、本当に有田はいいところでした。
もっともっとゆっくり見たかった。
そして、車を運転している中でたくさんの「いい風景」に出会いました。
もし可能だったら、車を止めてシャッターを切りたかったのにー、というタイミングが10回以上ありました。
たくさんお皿やら箸置きやら購入しましたが、次は陶器市にきたいなぁ。
有田焼、おすすめです!
陶山神社