ぱんこの日記

ていねいなくらしのために、ゆらゆら書きます。

ケチだよね、といわれて気づいたこと。

「前から思ってたんだけど、ケチだよねー。自分にはたんまりお金使うくせに」

今日、いきなりそう言われた。

うわ、と思った。だってそれはどれも本当のことだから。

そう、私はケチだ。

言い換えると、人にモノをあげるという意識が、低い。

だから、お誕生日プレゼントも、本当に大切な人にしかあげないし、親にプレゼントすることも本当に稀だ。

私は本物のケチなのだ。

そのくせ、料理教室だの、ヨガだの、ライティングだの、自分の興味のあることには躊躇なくお金を使う。

だから、(これを言うと嫌われそうだから言いたくないけど)人に対して使うお金を惜しむという人として最低なケチなのだ。

けれど、恥ずかしながら30を超えても、自分がケチであるということを自覚するタイミングがなかった。

それを指摘されたこともなかった。

でも、気づいてしまった。

いや、気づかされてしまった。

それも思いがけないタイミングで。

 

花粉症がきつくなってきた私は、同僚に勧められて「花粉が水にかわるマスク」なるものを購入した。

しかし、1日このマスクで過ごしても、一向に効き目がない。

どうしたものか。

3枚で1000円もしたのだ。

普通のマスクだったら、だいたい一枚あたり20円あたりだろうから、実に10倍以上もする高価なものなのだ。

効果がないというのはなんということか。

そんなことを思い、勧めてくれた同僚にその無能さについて語り、ダサいネタとして笑いをとった。

「じゃあさ、それ必要ないなら、あいつに売ったら?」

と同僚が言った。

あいつ、とは私たちの同期の女子みたいな男子。

私たちはよく三人で女子会を開く。

化粧品や下着などの女性特有な話題にも、違和感なくついてくるやつ。

いや、もしかしたら私たちよりも女性なのかもしれない。

日焼けを予防するためにビタミン剤を飲んでいたり、旅行のときには納豆菌を飲んで胃腸をサポートしたり、洋服のブランドにも詳しくて、とにかく今時のOL感が半端ない。

そして新しいモノがすきでミーハー。

ドローンが発売されればすぐ買うし、アイポンも新商品がでればそのたびに我先にと手に入れる。

そんなあいつなら、飛びつくかもしれない!

そう思った。売ってやろう、と。

普通なら、「私は必要ないし、あげよう」と思うのかもしれない。

けれど私は、「売る」という選択肢か持ち合わせず、

「ねぇねぇ、これ2枚で600円で買わない?」と持ちかけたのだ。

なんて浅はかなのだろう!

彼は、「花粉を水にかえる」ということ自体には興味津々ではあったものの、不信感をあらわにした。

「でもさ、それ怪しくなーい?」

まるで女子高生がいうように、語尾をこれでもかと上げて不審をこちらにぶつけてくる。

「それにさ、高いよねー? というか売るとかって……(ギロっとこちらを見る)。前から思ってたけど、ケチだよねー。自分にはたんまりお金使うくせに」

うう。

言葉がでなかった。

そうですよ悪かったね、と言いながら、その場を去ろうかと思うほど、いらっとしてしまった。

だって、それは本当のことだったから。

でも、待てよ。

こんな風に正直に、思ったことを言ってくれる友達が、どれだけいるのだろうか、と。

30を超えると、どんなに仲のいい女友達だって、多少なりとも気を遣い、遣われて、関係を続けることになる。

結婚しているか、子供がいるか、仕事をしているか、していないか。

それぞれの環境が少しずつ違うことで、今までわかる部分が多かった友達だって、だんだんとわからない部分が増えていく。

だから、自然とデリケートなところには触れないように触れないように、なっていく。

これはしょうがないことなのかもしれない。

けれど、寂しいな、と時々思う。

言いたいことを言えない。

言われたいのに言ってくれない。

そうゆう、あやうい綱渡りのような関係になっているのなんて、本望ではない。

前のように、学生のときのように、思ったことを思ったまま言って、笑いあって、ダメ出しするときはふざけて笑いに変えて、それで一緒に成長していけたらどんなにいいか。

しかし、私たちはもう大人だ。

相手との境界線を、じっと見つめながら、それを超えないよう超えないようにすることが暗黙の「大人の流儀」だ。

それで関係をうまく保とうとしているのだ。

もちろん、今でも正直に思ったことを言い、言われる関係の友達ももちろんいる。

そんな友達は、本当に大事な友達だ、と思う。

だから、もしかして。

もしかして、同期のその女子のような男子は、大事にすべき友達なのかもしれない。

そう思った。

いや、間違いなく、大事にすべき友人だ。

家族以外で、思ったことを直球でぶつけてくれる人というのはなかなかいないのだから。

そんな友人は、ありがたい存在なのだ。

はぁ、まさかケチと言われて、そう言った相手のことを大事な存在だと思うとは思わなかった。

(いやー、これ書いていくうちに、どんどん書きたい内容が変わっていって、びっくりしたー)

 面白いですね。

表面に起きた出来事をそっくりそのまま受け取るだけでなく、そこからいろいろと思いを巡らしてみるのも楽しいものですね。

そんな水曜日。

さ、明日と明後日が終われば、またお休みです。

ゆるーり、がんばっていきましょうかね。