リフレッシュしてきます
勤続まる10年がたちました。
それは、本当にあっという間で、大学4年間があっという間だったのとまったく同じように、その年数の実態をほとんど自覚できないくらいです。
最初のうちは、3年経ったら辞めて専業主婦になる、と思っていました。
しかしその夢はついぞ叶わず、あれよあれよと、10年を超えていました。
この10年、いろいろなことがあったけれど、不思議とイヤなことはあまり思い出せません。
いや、覚えていないこともないのですが、それがなかなかの美談にすり替わってしまっていて、気づいたら「イヤな思い出」フォルダにはなくなってしまっていました。
我ながらおめでたい思考ではあるけれど、それに固執していたら生きられなくないですか?
いやなことも美談にすることで、都合よく消化することができる。
きっとそれは、忙しい現代人みんなそうなのでないかと思うのです。
だって、イヤなことを引きずっていられるほど、みんな暇じゃないですもんね。
もっと大事なことがありますもんね。
さて、そんなこんなで10年。
そのご褒美に、と私の勤める会社では、「リフレッシュ休暇」というものをいただくことができます。
計10日間のお休みをいただけます。
私は、5日、5日と2回に分けて取得する予定なのですが、これがもう楽しみすぎて、仕事になりません。
リフレッシュという名なので、「休んでもっとがんばってね」ということなのでしょう。
しかし、私にとっては、まったく仕事には悪影響しかないようです。
すみません。
ということで、9月下旬にシンガポール、マレーシア、タイ。
1回目は、同期でいくので、ほぼみんなにお任せしています。
「ここどう?」
いいねー!
「どこ行ってみたいー?」
動物園!(これは却下されました。泣)
とか、そんな感じでかなりのお任せをしています。
ホテルも飛行機も、特急電車も、工程もすべて同期がやってくれます。
本当にありがたい。
お任せしっぱなしのため、何も頭に入っていません。
空っぽ。
そろそろ、怒られるかもしれないので、あと2週間くらいで、猛勉強をしたいと思います。
初めての一人旅!
しかも、ヨーロッパ!
だからこそ、なかなか計画が進みませんでした。
それはきっと大きな買い物になるだろうし、決めてしまったら後戻りできないし、それになによりも決めてくれる人がいない(ダメ人間)。
なので考えていたとしても、ぼんやり、ここいきたいな~っていうくらい。
好きで行く旅行なのに、いつの間にか、決めなきゃ決めなきゃと、義務感に責め立てられているかのようで、後ろ向きにさえなっていました。
しかし、1つのボタンを押すことで、この意識がいとも簡単に切り替わったのです。
たったひとつのボタンで。
たったそれだけで意識がこうも変わるか、と驚きました。
それは、こんなことから始まりました。
「ヨーロッパいく、って言ってたけど、航空券とったの?」と同期。
ううん、まだー。
「私、パリに行くことにしたんだけど、航空券とったよ。早くとったほうがいいよ!」
そっかー、うん、考えてみるー。
それでもまだスイッチの入らない私は、しぶしぶ、別の友人から教えてもらった、予約サイトにアクセスしました。(自分の旅行だろ!)
うーん、どうかなー、髙いよなー。
と思っていたら、なんと、往復で6万円を切る航空券を発見!!
これで本当に問題ないのか、ポーランド航空って大丈夫なのか、とかなんとか、うんうんと小一時間悩んでいたら、ついに残席があと2席に。
あー、これはもう買うしかない。
このまま0席になったら、めちゃくちゃ後悔する。
まだ2席残っているのに、妙に焦燥感にかられて、ポチっとしてしまいました。
それからというもの、頭のなかは、ウィーン。
モーツァルトにベートーベン。
オペラに、コンサート、ウィーン少年合唱団!
頭の中は、もうすでに音楽の都でいっぱいです。
おじさんのじとっとした体温を感じる満員電車の中でも、ガイドブックを読んでいさえいれば、それほど気にならない。
仕事がたんまりやってきていても、ウィーンのことを考えていさえいれば、ルンルンと仕事ができる。
どうやら、そのボタンをポチっただけで、私の世界はガラリとかわったかのようです。
まるで、恋人ができた時のやうに世界がキラキラして見えます。
あー、航空券の予約ボタンには、そんな効能があったなんて!
なんとまぁ、素晴らしい!
さぁ、これからホテル探し。
どんなホテルに泊まろうか、どこの都市に泊まろうか、そんなことを考えているだけで、本当に楽しい。
ということで、わたし、リフレッシュをしてきます!