ぱんこの日記

ていねいなくらしのために、ゆらゆら書きます。

非日常なときに気がつく大事なこと

 

出社したときはいつもと何ら変わりなかった。しかし、10時をすぎると、いつもの大きな声が出せない。仕方なく小さい声で、研修中の新入社員に指示を出す。おかしいな、ちょっと疲れてて元気がないのかしら、なんてのんきに思っていた。

11時。後輩と打ち合わせ中、腰のあたりが痛くなってきて、いよいよおかしいのではと思うようになった。そして、悪寒を感じる。やばい、熱が出るのは確実かもしれない。しかし、このタイミングで会社を抜け出すわけにはいかなかった。というのも、この日が新入社員研修の担当としての最後の日だったから。この日の午後は、「最後」にふさわしい話を新入社員に向けてしたいと思っていたのだ。この1ヶ月超、きつめに指導したこともあったけれど、「応援している」「期待している」「これから頑張ろう」とエールを送りたかった。

なのに、なのに、なんてこった。タイミングが悪すぎる。いつも私はこうなのだ。

少しくらい無理がきくのだったら、新入社員を優先していた。しかし、この時かなりの危機感があった。それはもう、お尻に時限爆弾が仕掛けられていてあと30分後に爆発するのではないかというくらいに。

あぁ、これは敗北だ。この状況にあがらうことはできまい。完全降伏をした私は、午後の研修は後輩に引き継ぎ、ノロノロと会社を後にした。

それから、予想通りに高熱が出て、何もできなくなった。腑抜けになってしまった。寝ることもままならない。点滴をしても少しも回復しない。解熱剤を飲んでも熱が下がらない。現代医学によって処方された薬が効かないなんて、すがる藁がない状況だ。あぁ、なんてこった。

そして、重ね重ねタイミングが悪いことに、翌日からは3日間の大阪出張の予定だった。

どうしてくれるんだ、本当に。マイボディよ、どうしたんだ。今まで無理させていたから叛逆をしているのか。それなら謝るから、だからさ、どうにか回復しておくれよ。そんな声は届くはずもなく、大阪行きも断念することになった。

精神的にも身体的にも絶望的だった。そんな時、1通のメールが届く。研修を引き継いでくれた後輩からだった。それは、意外にも新入社員からの伝言を伝えてくれるものだった。

そこには、「お大事にとお伝え下さい」「私たちに(てじー)さんのために何かできることないでしょうか」と書かれていた。

その気持ちが嬉しかった。少し泣いた。ありがとう。

そして、次は上司のブチョーからメールがきた。仕事の話か、はぁ、と思っていたら、意外にも「忙しいの続いてたもんな。いつも色々とありがとう」とあった。え……いつもそんなこと言わないじゃないですか。どうしたんすか。呆然とした。でも嬉しくて、これまた泣いた。

そしてそして、大阪からメールが。「(てじー)さんに会えなくて残念がってましたよ」と写真付きで送られてきた。そこには、2、3年前に新入社員研修で教えていた子たちが写っていた。メールを送ってくれた子も、社交辞令でも残念がってくれた子も、ありがとう。

人と人がつながっていると思えるこの感覚、本当に好き。私はこの人たちに支えてもらって生きているんだな、と思えるこの感覚がすごく好き。いつも当たり前だと思っていることが、非日常になると突然輝いて見える。日常からいつもそれに気づいていたい、大事にしていたい、そう思う。

 

まだまだ寝ていないといけないのだけれど、ちょっと感極まってしまって、この感謝を残しておきたくて書きなぐってみました。

さぁ、それではまた寝ます。